ニュージーランドのコロナ対策

ニュージーランド(以降NZ) オークランド在住の友人から、NZのコロナ対策の報告が届きました。

~9月3日の朝(日本時間)にもらった報告から~
すでに3週間出勤していませんが、wage subsidy という給料保証で、給与の80%が雇用主に最大12週間に亘り支払われ、それが従業員に支払われるので生活はできています。
給与20%減で生活が厳しくなる人には、別の申請もあり、食費や医療費等の補助もあります。
補助金は全てオンラインで申請でき、大抵3〜5日で支給されます。去年のロックダウンの際も同じような保証がなされています。
NZのロックダウンのalert level(警戒レベル)は1〜4に分かれており、4が最もserious(深刻) なロックダウン状態を示します。
この3週間弱alert level 4でしたが、昨日からオークランドを除くニュージーランド全土alert level 3に下がりました。
alert 4は完全ロックダウンで、病院、スーパー、銀行、ガソリンスタンド、ペットショップ(餌だけ)、公的交通機関等の運営はokですが、基本的に「Stat home with bubbles」(ステイホームと バブル環境)bubbles というのは家族やflat mate(同居人)など日常生活を共にしている人のみの環境を守ることです。違反者は捕まります。
今回のロックダウン中にダニーデンでサーフィンしている人達が捕まっていました。
alert 3は基本的にalert 4と同じですが、飲食店では、お客はcontactless(非接触)でなければならず、take awayになり、オンラインで注文して受け取りに行く形です。
Alert 2になると随分気楽になり会社に出勤するのに規制はありますが、飲食店がreopen(再開)したりします。 NZ人は結構優等生です。

この報告を聞いて、日本とは違うロックダウンの風景にビックリしました。私たちも、まずは個々がそれぞれできる対策をして、感染拡大を抑え込みたいものです。

伊永 勉

新年を迎えて

令和2年は、阪神・淡路大震災から25年、東日本大震災から9年目を迎えます。令和の時代は、災害で犠牲者の出ない時代になるように、災害を迎え撃てる知恵が求められています。ADI災害研究所は、設立4年目を迎え、“ふくし防災“というキーワードに基いて、福祉防災の理解者を増やし、地域防災力の強化を目標に進んで参ります。

今年は、次のような活動を展開を計画しています。
・ADI減災カフェによる防災担当者の強化支援
・要配慮者本人のための防災啓発支援
・要配慮者の避難行動の実態調査と実証実験
・ADI防災マイスター制度の設立
・さまざまな防災用品の発掘と紹介
・中小企業や事業所の防災力向上と地域連携

2019年を振り返る

あと2週間で、令和の初年が暮れていきます。今年も多くの災害に舞われました。
今年は“ふくし防災“をモットーに、災害時の要配慮者の犠牲を減らすことを目的として、行政職員の研修や、災害対策本部の訓練、自主防災組織の育成等に関わり、新たな知見を習得できました。

20年後には、団塊の世代のジュニアが65才を越え、人口の約半数が高齢者となり、その40%が独居生活になるとの予想もあり、少子化により、年金問題、医療費負担など、余生を楽しむ余裕もないのに、南海トラフ地震が近づき、豪雨災害が増えています。来年こそ、明日は我が身の覚悟で、自分と家族を守ることを自覚しなければならないと思います。近所付き合いが面倒いう人も、災害時でもかまわないで欲しいとは思っていないでしょう。寂しい社会にならないことを祈っています。

2019/12/16 伊永 勉

ボランティアを国民活動に

令和元年の秋は、毎週続く台風の大雨で、中部から関東、東北にかけて、広範囲な被害が発生し、10月末になってやっと復旧活動が始まり、ボランティアが各地から集まって来るニュースが目立ってきた。内閣府とJVOADがまとめた報告では、ボランティアが少なくなっているという事だが、ボランティアを増やすという対策が可能なのだろうか。元来個人の善意と評価されきた活動だが、需要が増えたから供給を拡大するというようにはいかない。政府が被災自治体に送る物資のプッシュ型支援のように、動員によるボランティア派遣を行政が仕切れる手立てはない。

昨年の西日本豪雨被災地

抜本的に、ボランティアの参加者を増やす方法は、政府が本気で取り組めばできることだ。ボランティア休暇制度が導入され、大企業では積極的に運用している例もあるが、年間一人1週間の災害派遣をする企業に、何らかの税制優遇措置を課すとか、本人の交通費等を免除するとかはできるのではないだろうか。兵庫県が台風19号の被災地に行く県内のボランティア団体(5人以上)に一律20万円を支給することを決めている例もある。

さらに、全国の大学に、学生のボランティア参加を義務化し、年間日数を設定して、参加学生には校外演習としての単位を与え、学校には文科省から何らかの特典を付与する等決めてはどうだろうか。私も阪神・淡路大震災では4大学からの依頼で、約60人の学生のレポートを読ませてもらい、単位を与えた経験がある。

1995年阪神・淡路大震災時のボランティア

昔一部の意見に18才からの2年間、青年期を自衛隊に入隊させるという案が取りざたされた時期があったが、それよりもこのような社会貢献体験を義務化するという案は無謀だろうか。ボランティアをあくまで個人の善意に頼っていては、少子化が進み人口減少にありながら、温暖化で気象災害が多発する傾向が見えている将来の日本の安全は、どうやって守り続けられるのだろうか。イデオロギーはともかく、真剣に日本の将来を考えないと、優秀な人材が海外に逃亡することになってしまいそうな気がする。

2019/10/31 伊永 勉

災害報道を検証しました

23(日)早朝の「関テレ通信」で、劇作家のわかぎゑふさん、神崎ディレクター、林アナと関アナの司会で、私も参加して「報道ランナー」で取り上げた災害報道を振返って、今後のテレビ報道のあり方の意見交換をしました。

関西テレビでの収録風景
収録当日の様子

まず、視聴者アンケートで災害情報を知る機会を聞いたところ、テレビ40.5%、行政の防災メールサービス15.3%、インターネットニュースサイト13.2%、防災行政無線9.6%、ラジオ5.9%、家族から5.5%、SNS(Twitter、facebook等)3.8%でした。
テレビの情報提供が市民の多くに影響を与えている責任を感じる数値です。
そこで、今後のテレビ報道の課題を話し合いました。

  1. 同じニュースを何度も放送する、同じ映像が何度も出てきて、新しいことや変化が分からない
    →ということで、今後はその映像が何日の何時なのかを明記するべき
  2. 行政とメディアのタイムラグ、被災地の多忙な行政に無理に電話を入れるのは、業務を邪魔している
    →行政も情報専門員を配置して、災害対策の邪魔にならないようすべきで、報道側も誰に確認するかを事前に知っておくべき
  3. テレビを見てくれる人がいるからこそ
    →インターネット等自分で情報をとれない人のために、テレビはもっと分かり易く提供する工夫が必要

次に、今後の災害報道について意見交換をした結果

  1. 安全な情報の提供
    →ローカルテレビとしては、全国放送と違って、被災地の人たちへの情報提供が一番であり、被害の激しさに続いて、時間を追って通れる道路、給水場所と時間、開業したコンビニ等安心する情報を提供しよう
  2. 受動的ではなく能動的に
    →テレビとしては、被災地での取材だけでなく、積極的に、視聴者の欲しいニュースの幅を広げる
  3. 新しい技術の活用
    →テレビ画面には限界があるので、L字の情報が自分たちの欲しい情報まで待っていなければならない不便さを解消する工夫することと、データ放送のdボタンを、被災者が欲しがる内容にテレビ局として充実させることという内容になった