平成30年7月豪雨災害 現地訪問報告

平成30年7月豪雨現地訪問速報

7月15日(日)岡山県の倉敷市の被災地を訪問しました。
今回は、私と副理事長の宮野先生、理事の永柳さん、川下の4人で行きました。
まず、岡山県庁の災害対策本部の物資支援班に行き、ADI災害研究所の会員企業である日本セイフティー㈱の自動ラップ式トイレ「ラップポン」の設置状況を確認。ラップポンは、各地の災害で避難所への設置を行っており、今回も岡山県、広島県、愛媛県に設置することになっています。
続いて、熊本地震の際、益城町にも設置し、好評を得たコイン式シャワーを㈱タニモトが提供する用意があることを紹介し、今後必要な用具・資器材等について要望をいただければ、ADI災害研究所の関係機関、団体、企業への声をかけ支援をしていくことをお伝えしました。
県庁周辺は、普段と変わらない街並みでした。

次に、倉敷市災害対策本部を訪問し、物資受け入れ担当と具体的な物資の調整について話し合い、コインシャワーの設置の協力ができる旨を伝えました。
また、他にも必要な用具や資機材等要望をいただければ、ADIの関係機関、団体、企業への声をかけ支援をしていくことをお伝えしました。
現在倉敷市では、物資の受付をいったん中断しているということで、必要なもので不足するものがわかり次第、ご連絡をいただくこととなりました。
お話の中で、土のう袋の不足が予想されることを確認し、これまでにも、ADIでは関係機関、団体、企業のご協力を得て、集めてきたことをお伝えし、復旧活動への協力を約束しました。
倉敷市役所周辺も普段と変わらない街並みという印象でした。
県庁や倉敷市の庁舎は、日曜日でしたが、災害対応ということで多くの職員が出勤して対応に当たられていました。
お忙しい中、お時間を頂戴したことに感謝したいと思います。

次に倉敷市社会福祉協議会を訪問し、事務局次長と面談し、ボランティア活動のための「炊き出し衛生マニュアル(発行 日本家政学会)」、と国交省や気象庁のなどボランティアにも注意してもらいたい情報サイト(QRコード)をまとめた一覧表をご提供させていただきました。
こちらでも、関係機関、団体、企業と連携して、支援をしていく旨をお伝えしました。

社会福祉協議会を後にし、倉敷市災害ボランティアセンターに向かい、ボランティアセンターの体制を視察させていただきました。
猛暑の中の活動されている大勢のボランティアの皆さんに感謝しながら、ボランティアセンターを後にし、避難所となっている薗小学校を訪問しました。
この避難所ではクーラーが設置され、ダンボールベッドとカーテンと段ボールによる仕切りができ上っていて、家族単位でやや狭いがプライバシーを確保できる状態になっていました。
今後入所者の減少に合わせて拡張していくとのことです。
食料は十分あるようで、水もやっと出るようになったとのことでした。

残念なことは、搬入されていた2基のラップ式トイレ「ラップポン」の設置について場所が決まっておらず、職員室で預かっているとのことで、使用方法や効果が理解されていない模様でした。
今後の避難所支援として、シャワーの設置についてもご紹介した。

避難所へ向かう途中、河川を見ると、激流があったような跡が残されていました。
浸水被害の地域を少し視察させていただきました。
泥だらけになった家屋やお店から、泥のかき出しや、浸水した家具などを取り出すなどの作業が、ボランティアの協力を得ながら行われていました。
歩道には、浸水時にたまった泥が乾燥してこびりついている様子で、田畑も茶色に染まっており、地域の家屋のほとんどの1階の窓が外されている様子でした。
清掃のために外されたのか、浸水時に水の勢いで外れたのかわかりませんが、悲惨な光景でした。
道路沿いに置かれている廃棄物は山となっており、被害の様子を目の当たりにして、自然の脅威を改めて実感しました。

今回の倉敷市訪問で誰かに会うと思っていましたが、まず協働プラットホームの小島氏に遭遇。
避難所で跡見学園女子大の鍵屋教授と久しぶりに会え、避難所支援をしていたNPO法人ピースウィンズ・ジャパンの会沢氏とは、広島の支援も含めて、今後の情報交換を約束しました。
日帰りだったので、慌ただしくあっという間でしたが、帰りのSAで、関西の防災士の方々とも会うことが出来ました。
ADI災害研修所では、今後、岡山・広島・愛媛への後方支援の調整を行っていきたいと思っています。

 2018年7月17日
理事長 伊永勉



7月のADI減災カフェは、『防災出前講座のノウハウを伝授!!』

7月18日のADI減災カフェは、地方自治体関係者様を対象に防災出前講座セミナーです。
防災講演会等での講演回数が2500回にもなる講師が、防災出前講座のノウハウやコツをお教えします!!
市民の防災意識啓発のために防災に関する講座等をする機会も多いと思います。
講座や講演で、聞き手を惹きつけるコツや話し方のコツ、講師がいつも気を付けていること等を教えます。
また、防災意識を高める話し方や伝え方などもお話しますので、地域で行う防災出前講座にぜひお役立ていただければと思います。
最新の防災情報やADIオリジナル避難所運営ワークショップキットもご紹介します

講 師 伊永 勉 一般社団法人ADI災害研究所 理事長
日 時 平成30年7月18日(水) 10時00分~11時30分頃まで (9時45分開場)
会 場 大阪市生涯学習センター第4研修室(大阪駅前第2ビル5階)
参加費 無料  
主 催 一般社団法人ADI災害研究所
ご参加希望の方は、下記PDFをダウンロードの上申込書をFAXで送付いただくか、または同様の内容をメール info@adi-saigaikenkyusyo.com でお送りください。
このセミナーは地方自治体向けとさせていただいております。
定員に余裕がある場合のみ、一般の方の参加を受け付けます。
一般の方で参加ご希望の方はまずはご連絡ください。
案内PDF

6月ADI減災カフェ 開催報告

昨日6月27日はADI減災カフェでした。
今回は、18日に地震があったこともあり、少なめの参加者ではありましたが、参加いただいた皆様ありがとうございました。
最初に、今回の大阪府北部を震源とする地震に関するお話を少しさせていただきました。
梅雨やこれからの豪雨に備えて、天気予報を活用して災害に備えるをテーマに、昨年の九州北部豪雨の話や、今年更新された気象庁の情報などについて皆さんと一緒に学びました。
次回7月のADI減災カフェは、「防災出前講座のノウハウを伝授」です。
すでに地方自治体関係者様にはご案内をお送りしておりますが、近日中にホームページ、Facebookなどでもご案内いたします。
また、一般向けのADI減災カフェ8月は、6月18日の大阪府北部を震源とする地震についてです。
こちらも近日中にホームページ、Facebookなどでご案内いたします。
お楽しみに。

現地調査を終え気になる被災者支援の行方

6月22日に高槻市の一部と茨木市の一部に現地調査へ行きました。
現地調査では、被害の大きかった地域の被災状況を見させていただきました。
一部、住民の方のご厚意で、当時の状況や住宅内の被害についてお話を聞かせていただくことができました。
全国的なマスコミでの報道は減り、被害があまり発信されていないようにも感じますが、被災地では、全壊や半壊といった家屋は見受けられませんでしたが、外壁の落下や、ひび割れ、傾き、ブロック塀の傾きなど様々な被害を見ることができました。

一部倒壊しているブロック塀

また、多くの家屋では、室内の家具の転倒や、亀裂などで、安心して住める状況ではない人もいました。
避難所や親族の家に避難しながら、日中片付けなどに訪れてる人もいました。
被災地をみて、感じたことは、東日本大震災や熊本地震のような見るからに被害が大きい災害ではなかったかもしれないですが、被災された方の被害は大きく今後の支援の重要性を感じました。

亀裂の入った玄関のタイル
亀裂の入った壁

また、避難所も見に行かせていただきましたが、平日であったため日中は人がほとんどいない状況でした。
現地調査へ行った22日も暑い日で、避難所の中での生活は、健康管理に十分な注意が必要であると再認識しました。
避難所生活への支援も重要と感じました。

日中の避難所

現地調査の際にも、余震による二次災害防止のため、建物の損傷の状態を点検する応急危険度判定が行われていましたが、6月20日現在の状況は、赤色(危険)判定戸数(危険判定戸数/調査済戸数)は、大阪市北区4戸/825戸、高槻市21戸/97戸、茨木市14戸/51戸で、箕面市・摂津市も検査中で、まだまだ時間がかかることと感じました。
私が気にしているのは、全壊家屋が京都府も含めて10棟未満となりそうな今回の地震による被害ですが、被災者生活再建支援法の適用はあるのかという事です。
この制度では、住宅が全壊か半壊の場合、やむを得ず解体した場合、居住不能な状態が長期化する場合、大規模は補修をしなければ居住が困難な場合に支援金が支給されますが、制度の対象となる住居はどのくらいになるのでしょうか。
この制度の対象となる自然災害は、大まかにいうと、災害救助法施行令に該当する自然災害で、10世帯以上の全壊住宅が発生した都道府県市町村となり、人口によって若干の条件の違いはあります。
条件に適合すれば制度が適用され、例えば、全壊100万円、再建に200万円等の支援金が出るようですが、制度の適用とならない場合は、当該自治体において対応を決めることになっているため、今回はどうなるのか気になるところです。
大阪府の松井知事は、大阪北部地震で一部損壊した住宅の再建に向けた融資制度を検討していることを明らかにしましたが、支援金の給付には触れていません。
兵庫県立大学防災教育研究センター長の室崎先生は、「財政力のない人は、一部損壊と認定され財政支援が得られないと、傾いた家を修理することも出来ず、危険な住宅に住み続けざるをえません。再建を支援するという視点と事前減災で耐震化するという視点から、修理のための支援金を提供できるよう、制度の見直しあるいは弾力的運用が求められます。」との談話を発表されている。

2018年6月26日
理事長 伊永勉

壁の一部が剥離していた
壁が一部はく離したマンション

写真はすべて、6月22日にADI災害研究所が撮影したものです。

震災対策技術展、無事終わりました

5月31日~6月1日にコングレコンベンションセンター(グランフロント大阪内)で行われた第5回震災対策技術展大阪の当団体ブースにご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
2日間の展示を無事に終了いたしました。
また31日の理事長伊永のセミナーにも大変多くのご参加を賜りましてありがとうございました。

20180531第5回震災対策技術展大阪

20180531第5回震災対策技術展大阪セミナー