平成最後の年は、災害の年として記録されるのだろうか。
6月に95年間記録にない震度6弱の地震が大阪北部を襲い、7月には24市町村という広範囲に豪雨をもたらし、8月は台風20号、9月は台風21号により各地で被害がで、観測が始まってから震度7を記録した6例目となる北海道胆振東部地震。
これほど、大規模な災害が続くと、年末までに何が起こってもおかしくないとも思えるが、できればこれ以上起こらないことを願わずにはいられない。
昔から大規模な地震や飢餓が起こると元号が代えられてきたが、「先に元号を変えるから、災害がついてきた」という冗談も出てしまう。
平成の時代は経済成長著しく、豊かさを感じる時代ではあったが、阪神・淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震、そして各地で起こる豪雨災害とその復興が追い付かない最中に、今年も災害が追いかけてきた。地球の温暖化が大きく影響しているという説もあり、確かに地球の平均気温は100年前に比べて、1.17℃も上がってしまったということだ。
「気候変動対応法」という新たな法律もできて、農産物や水産物の改良と見直しが急務となり、愛媛県では温州みかんの不作に備えて、オレンジの生産への切り替えを模索しているそうだ。
都市部では、洪水対策の強化とハザードマップの徹底を政府から呼びかけている。
最近の災害は被害の規模が大きくなり、家屋の倒壊はもちろんながら、大雨による洪水や山間部での土砂崩れ、都市部での液状化等、災害によって多種多様な被害が起こる。
被害が拡大する原因には、土砂災害警戒区域の住家や河川近くの浸水地域の住家など防災の観点以外に政治的経済的な虚弱さ、今さえ良ければという刹那主義によるものではないだろうか。
また、多くの評価を受けているボランティア問題については、これだけ多発すると、参加者の確保と活動の継続に、あまりにも負担が大きくなってくる。
南海トラフ巨大地震が起こると、被害が広域にわたり、ボランティアが行きたくてもいけない地域や、人数も足らなくなることが目に見えている。
いまこそ、無償の善意を当てにするのではなく、公的機関以外に有償で救援支援活動に参加する能力者を全国で登録し、行政を補完する戦力を確保するべきではないでしょうか。
災害時の要支援者個別計画のように、地域の安全確保と復旧を担える力を育てなければ、日本は壊滅してしまうのではないでようか。

 2018年9月11日
理事長 伊永勉