7月25~26日、熊本県の人吉市から球磨村の現場を視察してきました。
参加は伊永・宮野・片平・川下の4人で、各々の視点から被災現場を見て豪雨災害への対策を考える機会としました。
コロナ感染対策で、住民との接触を控えていましたが、被災した高齢者施設「千寿園」の前で、熊本朝日放送に同行取材の声をかけられ、その後、最も被害が大きかった球磨村渡地区の茶屋集落を訪れ、被災者の方のお話を聞かせていただく機会をいただきました。

相良橋
崩壊した相良橋

お聞きしたお話で印象深かったのが、「家も涙も球磨川が流していった」という言葉です。昭和40年の豪雨から4回の洪水を経験され、今回は全ての家屋が壊滅してしまいましたが、ここを離れたくないとのことでした。この地域は、支川の小川と球磨川の合流点の下流で、両河川のはん濫の勢いで、激流となって全てを流失させたということでした。住民の一人が「川津波だよ」と言っていいましたが、まさしく津波のように、水が襲ってきたということです。この地域は球磨川ラフティングで有名なところだが、その形跡はなく、瓦礫の山となっていました。

電柱が倒壊した線路


今後改めて検証の予定ですが、現地を見て感じたことは、濁流がどのように流れて行ったのか…これまでに見た他の被災現場とは違った光景でした。
茶屋地区全住民が、負傷者を出さず素早く避難できた経緯や、地域住民が行ったという支援の状況、広い平野部の浸水とは異なる山間狭窄部の洪水の怖さを学び、今後の教訓を探れたらと思っています。
被災現場を見た後に、避難所や仮設住宅建設現場も拝見することができました。仮設住宅はコンテナハウスで建設されており、非常に早く完成するようです。
今後オンラインなどを活用して、現地報告会などを実施予定です。

2020.07.29.伊永 勉